風力発電とは
3月11日の東北地方での大震災と、それに併発された福島第一原発の放射能漏れ事故(メルトダウン・メルトスルー)を機に、二酸化炭素削減などの環境問題だけでなく個々人の電力問題を真剣に考え始めている人が急増しています。これまでのように電力会社から電気を購入するのではなく、自家発電をするという考えです。2009年頃から急激な伸びをみせている太陽光発電も自家発電の一つで、政府の政策として発電した余剰電力を電力会社へ売る制度も設けられています。ガスなどの燃料を使った自家発電もあります。
そんな中、今最も注目を集めだしているのが風力発電です。日本では、一年を通じて風向きやその風量が一定しない地域が多く、風力発電の導入が他国より遅れていると言われてきました。しかし、技術の進歩により家庭用の風力発電として十分に使用に耐えうる性能のものが現れ、年々設置数が増えてきています。
風力発電とは「風の力」で風車をまわし、その回転運動を発電機に伝えて「電気」を起こします。風力発電は風力エネルギーの約40%を電気エネルギーに変換できる比較的効率の良いものです。 仮に10の力の風が吹いたとすると、そのうちの4の力が電気として発電されるということです。残りの6の力は摩擦などの抵抗に消えてしまったり、発電することなく通り過ぎてしまいます。
風車は風の吹いてくる方向に向きを変え、 常に風の力を最大限に受け取れる仕組みになっています。台風などで風が強すぎるときは、風車が壊れないように可変ピッチが働き、風を受けても風車が回らないようにしたり、回転にブレーキをかけながら風車が壊れないスピードで回らせたりするものもあります。
風力発電の種類
風力発電の種類には、一般的なプロペラ型以外にもいろいろな形式があります。 大きく分けると、回転軸の方向で水平軸型と垂直軸型に分けられます。 サボニウス型、ダリウス型は、回転軸が縦についており風向きを選ばずに発電でき、デザイン的にも趣向を凝らしたものも存在します。
風力発電と聞くとプロペラ型がよく目にされますが、これは発電を目的としたとき、今のところ最も効率が高いとされているからです。
垂直軸型とよばれるサボニウス型などの風車は、弱い風でもよく回りますが、プロペラ型よりも風力を電気に変換する効率が低くなるなど、同じ風を受けても風車の性能によって発電できる電気の量が違ってきます。
風力発電のメリット・デメリット
※メリット
- 風力発電の性能や風の環境などに左右されるが、自宅で使用する電気の一部を補うことができ、電気代削減につながる。
- 風さえあれば夜間でも発電することができる。
- 風力の約40%を電気に変換できる効率のよい発電方法である。
(太陽光発電は現在販売されているもので発電効率が20%弱程度) - 災害時などの停電時には風がなくとも手動で風車を回すことで発電させ、携帯電話やラジオなどに使用することができる。
- 近年の風力発電の需要増加に伴い、設置費用が太陽光発電設置と同等になってきている。
- 化石燃料と違い、枯渇を心配する必要がない。
- 化石燃料と違い、産油国との外交問題や為替問題を心配する必要がない。
- 発電時に二酸化炭素を排出しない。
※デメリット
- 安定した風がないと、安定した電力を得にくい。
(これは、安定した太陽光がないと安定した電力を得にくい太陽光発電と同様で、自然エネルギーを利用した発電システムには必ず起きうるデメリットです。) - 風力発電の種類によっては、騒音や低周波による被害を発生させてしまう可能性がある。
(これは特に大型の風力発電のデメリットで、家庭用風力発電では悪影響を与えてしまうような騒音や低周波が発生しにくい機能が開発されている。) - 太陽光発電と同様だが、設置による景観への影響が大きい。
- 風車部分に鳥が巻き込まれて死傷してしまう可能性がある。